ブログを書く上で、非常に重要な事が
「ペルソナ像」
を作ることです。
ペルソナ像は、マーケティングなどでよく用いられる用語で、これを知っているか否かで、ブログの記事の質がガラッと変わります。
もしかしたら、現在あなたの記事が
・誰にも読まれない
・アクセスがあっても、ほとんど滞在してくれない
という状態であれば、もしかしたらこのペルソナ像の考え方が抜けているのかも知れません。
今回は、そんなブログで非常に重要なペルソナ像について解説していこうと思います。
ブログに必須のペルソナ像とは
ブログにおいて必須の考え方である「ペルソナ像」。
まずは概要をお話します。
ペルソナ像は「この人のために書く」という想定の人物
ペルソナ像は、「この人のために書く」という特定の人物像を作ることを言います。
ブログの場合は「この人のために書く」ですが、商品を作る場合はそれを使う特定の人をイメージしたりもします。
このペルソナ像は、商品やサービスを販売する上では非常に重要な要素となっています。
ターゲットとペルソナの違い
ペルソナ像と勘違いされやすい内容として「ターゲッティング」があります。
ターゲッティングとは、ターゲット層を決めることで、例えば
「20代」「男性」「独身」「一人暮らし」
というような属性で区切って、今回ブログの読者として想定するようなものです。
ペルソナ像は、ターゲッティングよりも更に細かく、「1人の人」を想定します。
例えばこんな感じです。
ペルソナ設定:沖縄旅行パッケージツアーのターゲット顧客
1. 基本情報
– 名前:田中 美咲(たなか みさき)
– 年齢:32歳
– 性別:女性
– 居住地:東京都 杉並区
– 職業:都内のIT企業で働く会社員(Webマーケティング担当)
– 年収:480万円
– 家族構成:独身、一人暮らし
– 趣味・関心:旅行、カフェ巡り、美容、ヨガ、写真撮影
2. 旅行に関する考え方
– 年に1~2回は国内旅行に行く
– 海外旅行も好きだが、長期休暇が取りにくいため、手軽に楽しめる国内旅行を重視
– 普段は忙しく、旅行の計画をじっくり立てる時間がないため「効率よく楽しめるパッケージツアー」に魅力を感じる
– 旅行のテーマは「リラックス&リフレッシュ」+「非日常感」
– 映える写真を撮るのも好きで、SNS(Instagram)に旅行記録を投稿する
3. 旅行の課題・悩み
– 仕事が忙しく、スケジュール調整が難しい
– 旅行の手配が面倒で、個別に航空券・宿・レンタカーを予約するのは手間に感じる
– 旅行費用は抑えたいが、せっかく行くなら多少の贅沢もしたい
– 一人旅も好きだが、友人と行くこともあり、プランが柔軟であることを求める
– 沖縄には一度行ったことがあるが、定番観光地以外にも行ってみたい
4. 旅行先の希望(沖縄)
– ゆったり過ごせるビーチリゾート(瀬長島、古宇利島、宮古島など)
– 映えるスポット(青の洞窟、古宇利オーシャンタワー、アメリカンビレッジ)
– おしゃれなカフェやローカルグルメ(ソーキそば、タコライス、沖縄ぜんざい)
– ヨガやSUP、シュノーケリングなど、リフレッシュできるアクティビティ
– レンタカーなしでも移動しやすいプランがあると嬉しい
5. パッケージツアーに求めるもの
– 手間なく予約できる(航空券+ホテル+アクティビティがセット)
– 価格が適正でお得感がある(高すぎず、安すぎずバランス重視)
– 宿泊先のクオリティが良い(清潔感のあるリゾートホテル、朝食付き)
– 自由行動の時間が確保されている(完全ガイド付きより、適度なフリータイム)
– 1人でも、友人とでも楽しめる(柔軟なプラン選択が可能)
– 映えるスポットが含まれている(SNSに投稿したくなるような魅力的な場所)
6. 予約・購入プロセス
– 旅行サイトやInstagram、YouTubeで沖縄の情報を収集
– 価格比較サイトでプランを比較し、コスパの良いものを選択
– 公式サイトで詳細を確認し、口コミもチェック
– スマホから簡単に予約できることを重視(PCよりもスマホ派)
– 旅行前にはInstagramで「#沖縄旅行」「#沖縄カフェ」などのハッシュタグ検索をして、行きたいスポットをピックアップ
7. 旅行後の行動
– Instagramやブログに旅行の写真や感想を投稿
– 友人におすすめ情報をシェア
– 次回の旅行先を検討し始める(リピーターになる可能性も)
ここまで細かいものが必要かはさておき、
「まるで実在する1人の人」
かのように細かく設定をするのがペルソナ像なのです。
なぜペルソナ像が必要なのか
では、なぜこのペルソナ像が必要になるのでしょうか。
ペルソナによって書くべき事が変わる
ペルソナ像を理解していないと、
「本来狙うべきターゲットとは違う人に情報が届く」
「例え話が響かない」
という状況に陥る可能性があります。
例えば、「平均年収」というキーワード。
これを検索する人には、さまざまな目的の人がいます。
・自分の年収を平均と比較したい人
・将来設計を考える上で平均を根拠にしたい人
・転職をしたいけど、会社選びの基準が欲しい人
・自社の年収を決定する上で参考にしたい人事部の人
などです。
この内、下の2つは
「求職者」と「企業」
という、全く反対の立場の人が調べています。
求職者には、平均年収の情報に加えて
「年収を上げる転職の秘訣」
を書いた方が良いですし、人事の人なら
「他社と同じ年収帯でも応募が集まりやすい方法」
を書いた方が気になるでしょう。
このように、ペルソナが違えば記事の構成も変わってきます。
細かい例え話が変わってくる
前項で触れましたが、例え話は特にペルソナ像の影響を受けます。
例えば、「懐かしい」という話をする際に、年代によって懐かしいと感じる事柄が違ってきます。
「マジンガーZ」などのアニメが懐かしいと感じる世代もいる一方で、それを全く知らない世代もいます。
何なら、若い世代はもはや「妖怪ウォッチ」などでさえ懐かしいの領域にあるかも知れませんね。
(年齢バレそうですが笑)
このように、例え話が響くか否かは、ペルソナ像にあっているかが重要になってきます。
「誰に書くか」を意識しないと記事の品質が上がらない
記事の品質に関しても、ペルソナ像は大きな影響を与えます。
現在のネット記事で求められているのは
「自分に必要な情報」
です。
当たり障りのない一般論では、なかなか読者の心を掴むことは難しいです。
そうなると
「誰向けにどういう情報を書くのか」
は非常に重要になりますよね。
例えば、このブログはブログ運営に関する情報を発信していますが、
・ブログ初心者向けに書くのか
・ブログ中級者向けに書くのか
・ブログ上級者向けに書くのか
によって、書くべき内容が変わります。
上級者に「キーワード選定とは?」みたいな話をしても、
「今更何を・・・」
という反応になりますよね。
これが、ペルソナ像を作るべき1つの理由です。
検索意図よりも更に深い解釈をするため
ブログ記事を書く際には
「検索意図」
を考えるのが非常に重要と言われています。
こちらの記事で検索意図については解説しています。

この検索意図よりも、深い解釈ができるのがペルソナ像です。
読者を特定の1人として扱うことで、
「検索意図では見えてこなかった悩み」
に加えて、
「その人が取るであろう行動」や「よく見る媒体」
といったマーケティングで重要な要素も見えてきます。
記事の着地が明確になる
ペルソナ像を明確にすると、
「その人にとっての最善の解決策が何か」
という部分が見えてきます。
そうなると、記事の着地も明確になるので、記事作り自体が楽になります。
単に作るだけじゃ意味がない!ペルソナ像の間違った作り方
ペルソナ像は
「その人のために最大限のアドバイスをする」
ために、個別の人物像を設定するわけですが、ただ作るだけでは意味がない事が多いです。
ペルソナ像を作る項目に関しても、必要なものと不要なものがあります。
実はペルソナ像は、全ての記事で共通するフォーマットを作るのは困難です。
なぜなら
「その項目の内容で、記事の内容が変わる物」
を選ばないと意味がないからです。
例えば、「転職」をキーワードにして記事を書く時。
「東京」「北海道」「大阪」「沖縄」
など、県を絞る事は重要です。
それによって、
生活費が変わる→必要な給料が変わる→求める年収が変わる→選ぶ職種や業界が変わる
という様に選択が変わったり
電車通勤or自動車通勤
によっても影響を受ける可能性があるからです。
一方で、「ネット副業」の場合、内容にもよりますが、都道府県で変わる事はないでしょう。
なぜなら、住んでる地域を選ばないのがネット副業のメリットでもあるからです。
ただし、ネット副業をする理由が
「本業収入が低いから」
という様に、本業にも触れる様な場合、
・本業収入を上げるために転職も検討したら?
・本業は自由時間の多い仕事に変えて副業に専念したら?
という様に、アドバイスが変わる事があります。
こうなると、転職で収入を上げられる可能性が高い都心か、転職先が少ない地方かでもアドバイスが変わりますよね?
この様に、内容によっては必要な項目が変わってくるからこそ、全ての記事に共通したフォーマットを用意するのは難しいのです。
「とりあえずできるだけ細かく設定すれば良いんでしょ?」
と考えていると、間違ったペルソナ像を作ってしまう可能性があるのです。
ペルソナ像の作り方
では、具体的にペルソナ像の決め方について触れていきましょう。
ペルソナ像は、下記のような順番で進めます。

目的を明確にする
まずは、ペルソナ像を作る目的を明確にします。
これは、ブログにおいては
「その記事を読んでどうしてほしいのか」
という事になります。
例えば、1つの記事を見ても
・商品リンクを押して商品を購入して欲しい
・自分の公式LINEに登録して欲しい
・情報に満足して今日から行動を変えて欲しい
・誰かにシェアして欲しい
など、様々なゴールがあります。
どういったゴールにするかで、ペルソナ像も変わってきます。
具体的に言うと、
「誰かにシェアして欲しい」
というゴールを設定したのに、ペルソナ像が
「普段SNSを使わないし、交友関係も狭いインドアな人」
だった場合は、ゴールとペルソナ像に矛盾が生まれます。
この様に、「読んだ人にどうなってほしいか」とペルソナ像は深い関係があるのです。
データ収集
次に、データを収集します。
私自身は普段、ここは検索キーワードを中心に想像で作ることが多いですが、本格的に対象者を絞る際には、ランサーズなどのクラウドソーシングで、アンケートを取ります。
ポイントは、年齢層や性別などのターゲッティングをした上で、その対象となる人にアンケートを取ります。
その際には、
・〇〇での悩み
・普段どういうときに〇〇を買うのか
といった記事のゴールに則した質問をします。
ただ、このアンケートはネット上で行うものなので、
「そもそもネットユーザー(且つ副業でアンケートモニターをしている人)」
という比較的狭い範囲での調査しかできません。
理想はもっと広い範囲の人にアンケートを取ったり、または自分の周りでターゲット層になりそうな人にアンケートを取るのが良いです。
属性を定義する
次に、属性を定義していきます。
この段階で、具体的な名前や性別・住んでいる地域などを考えるのが良いでしょう。
ただし、後述しますがブログにおいては
「ここまでガチガチに作ることは少ない」
ため、ざっくりと作るだけでも十分に効果があります。
ストーリーを作成する
次に、その人がどの様に記事を見つけて、どんな心理状態で記事を読んでいるかを想定します。
具体的に言うと、
・どの媒体から見て
・どのようなキーワードで検索されて
・どのような悩みを持って検索して
・どうなりたいのか
ということを仮定していきます。
ペルソナを活用する
作ったストーリーに従って、実際にペルソナ像を記事に落とし込んでいきます。
これは、できればペルソナ像に近い人に見せて聞いてみるのが一番ですが、難しい場合は想像で考えます。
そうすると
「こういうタイプの人だったら、こういう部分で疑問や不安を感じるんじゃないか?」
という事が見えてくるので、それを記事に応用していきます。
注意点:ガチガチに作らなくても、意識出来るだけでも記事が良くなる
前述しましたが、ブログにおいてはペルソナ像は
「毎回やる必要性は無い」
と考えています。
もちろん、全ての記事でこれができれば理想ですが、そこまでしなくても高い効果が見込めます。
また、記事単体で見るのではなく
「そもそもこのブログ全体のペルソナ像」
から考えるのも1つの手段です。
例えば、このブログでは
「ブログ初心者向け」
の情報発信が基本です。
すでに色々な情報を知っていて、結果も出しているようなトップレベルのブロガーさんは、きっとこのブログの記事の内容は全て知っているかと思います。
そのため、ブログ全体のペルソナ像が「初心者」に絞られてきます。
そうなると、1つ1つの記事にペルソナ像を設定していなくても、全体のペルソナ像を意識するだけでも、かなりターゲット層に響く記事が作れることになります。
この様に、ブログを作るうえでは、記事ごとのペルソナ像よりも
「ブログ全体でのペルソナ像」
のほうが重要だったりします。
まとめ
今回は、ブログにおけるペルソナ像について見てきました。
最初の頃は、
「設定した所で、内容が変わらない」
と思う事も多かったですが、色々な所で重要性を言われていたため、何度も作ってみました。
結果、確かに書く内容が少しずつ変わってきましたし、記事自体が良くなった実感もあります。
是非、これから記事を書くときには、少し意識してみて下さい。
このブログでは、ブログ運営に関わる情報発信をしています。
他の記事も読んで、自分のブログのアクセス数を増やしていって下さい。